床面積に入らない条件 / メリット / プラス視点アドバイス

【ロフト】ってよく設置されてあるけど、そもそも、どうしてこんなに低い天井の高さになっているのかな?

【ロフト】は、あくまで収納の用途なのよ。
また、前回の【出窓】と同様に、床面積に入らない条件があるので、その範囲内で設置されていることが多いの。だから、その決められた低い天井の高さになっているのね。
素朴な疑問!建築の知識【ロフト(小屋裏収納)】について
建築物は自分達の生活に身近でありながら、わかりづらい事の一つに、様々な法的な規制にも基づいて作られている事だと思います。
たしかに、設計の分野の建築計画をするには、さまざまな建築に関する法規を読み解き、理解する必要があります。
ただ、専門的な理解までしなくても、ある程度「知っていれば」建築の専門家に、要望をリクエストすることも可能になれます!(これが当ブログを読むメリットです。←希望的)
今回は、メリット多めの『ロフト』について、ご紹介したいと思います。
ロフトは、法令的には「小屋裏物置等※」という名称です。(床下収納もこちらに含まれます。)
(※法的定義:小屋裏等の余剰空間を利用するものであり、用途については収納に限定される。)
床面積に算入されない『ロフト』のメリット
お得なのは、前回の「出窓」記事同様に、条件を満たしていれば床面積に算入されません。それを使うと、下記の大きなメリットが得られます。
大きなメリット
・「床面積」に算入されない。※
・室内にそのフロア床面積の最大1/2のプラスの面積が生まれる。
・形状に変化をつけられ豊かな開放感のある空間が生まれる。(奥行き、部屋の分割、収納など)
・デッドスペースの有効活用ができる。
※固定資産税の算定面積外で税上もお得です。※条件を守らないと、床面積に算入されるだけでなく「階」として判断されてしまうこともあるので要注意です。
床面積に算入されない『ロフト』の条件
条件 主に下記になります。(上図参照)
・ロフト等の面積合計は、そのロフトがあるフロアの床面積合計の最大1/2未満までが限度※
・ロフトの天井高さ(内法寸法:実際の高さ)は、最大1.4m未満
・その他諸条件)
・そのロフトがある階の床面積が1/8を超えた場合は構造的条件が追加される、はしごの形状の条件など細かな規定あり。
※共同住宅等(アパートやマンション)は、住戸単位です。そのため各住戸に設置できるんですね。
プラス視点『ロフト』設計のアドバイス
アドバイス
・最上階のロフトは熱がこもりやすいので、「換気用口」も別に設けることをオススメ。
・「窓」も設置した方がよい。(サイズは最小限と規定有)ただし、取付け位置(直射日光・日射熱)には注意。
・ロフト部分の窓には、具体的なサイズ制限をかけている自治体がほとんどですが、窓部分が『ロフトと独立している場合』は規制の対象となりません。この手法を用いる。
たとえば、 (下図左)のように、 ロフトを片側に寄せるのではなく、部屋の中心に寄せて両側にフルサッシを設ければ、ロフト下が天井が低い空間でも開放空間にすることが可能。(部屋の天井高さは平均2.1m以上必要)
・(下図右) 天井高さがある程度あって、ロフト下も所定の高さを持たせれば、デスクやベッドを置いたりと、有効活用が可能。
補足ですが、
ロフト類は、建設地の自治体によって独自の規定が追加されている場合があるので、計画の折には、担当設計者にご相談してください。
参考)それぞれの東京都の区の建築指導課がWEB上で、小屋裏物置等の取扱いについての説明PDFをダウンロードできるようにしています。わかりやすい説明の区を選んで、詳しく勉強したい方用に、下記にリンクを貼っておきました。(関係条文もPDFに記されています)
■東京都板橋区公式HP(確認申請の流れ)
・住宅における小屋裏物置等の取扱いについて<PDF>
■東京都豊島区公式HP(建築基準法等における取扱い基準)
・階とみなさない小屋裏物置等の取扱い(住居系用途のみ)<PDF>
また、ロフトについて個人的に感じたデメリットも少々記載します。
・はしごでの昇り降りがおっくう。かつ危険。
・適切に空調換気の循環を意識しないと熱だまりになる。(扇風機、サーキュレーターでも対応するといい)
・あくまでも収納のため、使いがってはよいとはいえず利用機会が減ると、見えにくい場所のため掃除がおざなりになりがち。
おまけ)ロフトと息子の思い出 秘密基地
息子が小学低学年の頃、下校後は私の帰宅時間まで私の実家で見てもらっていました。
実家にはロフトの部屋があるので、息子はいつも友達とそこに集まって、ボードゲームやプレステなどで遊んでいたそうです。
母は、ロフトに子ども達のお菓子をよく運んでいたそう。
子ども達にとっては、まさに「秘密基地」ですよね。
当時、最高に楽しい空間だったかと思います。母も、孫とその友だちに囲まれて幸せだったそうです。
そんな息子が小学生の頃の可愛らしいエピソード。私にも懐かしい思い出です。(今は息子は高校生。押忍!…)
今回は、以上になります。
少しでも、何かの参考や知識になれれば、幸いです。
今後も建築やインテリアの、身近だけどよくわからない…と思われる部分を ピックアップして、ポイントをしぼって解説していけたらと考えています。
それでは、また😊
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紹介)プロのお仕事本
⬇︎こちらは、プロ用のお馴染みの本です。(設計事務所に置いてあります)
プロは、法令集とこういう本で建築基準法類に沿っているか確認したりしています。
こみ入った条件だと、確認申請をくだす審査機関に事前相談したり、 行政に相談(協議)に行ったりします。
⬇︎こちらはオススメのディテールの基本集です。