出窓のメリット/床面積に参入されない出窓
こんにちは、ヨコタです😊
さて…今回のお題ですが、
そうそう、ワタシ、実は…一級建築士なんです。
(前も言ってましたが)#05参照
本人ではありません。(念のため…)
個人的には、空間の検討をたくさんしているからこそ、話せることがあると思っています。
それでは、本題に入っていきたいと思います。
知らないとモッタイナイ!建築の知識【出窓】
現在、住宅購入を考えている方や、知識欲の旺盛な方々に、知っておくとお得な建築的知識を、今回もご紹介したいと思います。
建築物は自分達の生活に身近でありながら、わかりづらい事の一つに、様々な法的な規制にも基づいて作られている事だと思います。
たしかに、設計の分野の建築計画をするには、さまざまな建築に関する法規を理解する必要があります。(建築士試験の一次試験には、建築基準法類の「法規」問題があり、自分の法令集の持ち込みになります。法令集の理解のために相当読み込みます。一次学科試験は5科目です。(計画/環境設備/法規/構造/施工))
ただ、専門的な理解までしなくても、ある程度「知っていれば」建築の専門家に、要望をリクエストすることも可能になりますよね。
今回は、メリット多めの『出窓』について、ご紹介したいと思います。
出窓のメリット(友人に勧めた理由から)
以前、建売住宅の購入が決定した友人から、相談を受けました。
計画は都内の郊外で3LDKの2階建て、契約後に工事着手とのことで、その前に間取り図を見てアドバイスがほしいとのことでした。友人には、販売会社に建築計画に大きく影響しない部分なら、追加費用になるけれど変更は可能ということを確認してもらった上で、いくつかのアドバイスをしました。
立面図を見ると、やはり外壁に、直接窓サッシが取付けている形でした。この設置方法をとっているのが、戸建て住宅では多いようです。(下記写真参照。この件、後述します。)
建築物は、限られたそれぞれの敷地の中で「建築基準法などの法的条件を守り立体を作る」ということです。各フロアの床面積合計の限度も、その条件の枠内で決まってきます。
今回のテーマの
『出窓』がお得なのは、『床面積に算入されない出窓』というのがあるということです。
それを使うと、下記の大きなメリットが得られます。
大きなメリット
・原則、「建築面積」にも算入されない。※
・室内に出窓部分の空間が生まれる。
・建物の外観(見た目)に変化が生まれる。※
※ 「建築面積」…「床面積」とは違う面積規定です。簡単にいうと建物を真上から見た時の面積のことです。
※戸建て住宅の窓周りをよく見てみると、外壁に、既成の窓サッシを外壁面に沿って、取り付けている形が多いことに気づくかと思います。少しデザインとして、メリハリ(抑揚)がない形です。プラスの費用をかければ、雨や日の対策で、上部に庇(ひさし)をつけたり、外壁面を奥まらせて窓サッシを取り付けたりできます。
(補足:窓サッシ自体には、もちろん水切り(下を向いたL型金具、建物内に雨水侵入を防ぐため)は装着しています。周囲のシーリング材が劣化しますので、そこを含め定期的にメンテナンスしていけば、雨仕舞い的には十分です。)
『床面積に算入されない出窓』の条件
基本条件)上図参照
・出窓に収納スペースがないこと
・床面から出窓の下までの高さが30cm以上かつ周囲の外壁面から水平距離にして50cm以下
・出窓の見付面積※の1/2以上が窓であるもの
※出窓の見付面積:出窓空間内の面積の合計(両側側面+天井面+窓取付け面)
補足ですが、
自治体の条例で、独自の規制を追加で設けていたりするので、計画時には設計者に相談してください。
また、デメリットも少々記載します。
・戸建て1階で、防犯その他のために、雨戸をつけたい方は向かない。
・付ける位置によっては効果薄い。
キッチン前に出窓をつけたところ、キッチンの奥行(約60cm)に出窓(50cm未満)で、窓の開閉ができなくなった。結局デッドスペースになったなど。
終わりに
今回、『床面積に参入されない出窓』について、紹介しました。
出窓の造作分の費用はかかりますが、出窓を付けるメリットも大きいですので、知って選択できればいいかと思います。
愛猫も喜びます
前述した友人も、「周囲の同じ建売り住宅でも、うちだけ出窓をつけたことでデザインが違っている。部屋も出窓分が広くなったし、大満足!」と感謝されました。
アドバイスできて嬉しいのは、このような反応をもらった時です。
こちらのブログも、訪れていただいた人たちの、少しでも何かの参考や知識になれたとしたなら、とても嬉しく思います。
ではでは、また😊
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紹介)プロのお仕事本
⬇︎こちらは、プロ用のお馴染みの本です。(設計事務所に置いてあります)
プロは、法令集とこういう本で建築基準法類に沿っているか確認したりしています。
こみ入った条件だと、確認申請をくだす審査機関に事前相談したり、 行政に相談(協議)に行ったりします。
⬇︎こちらはオススメのディテールの基本集です。